青年期

監修:広島大学医学部付属病院 輸血部 藤井 輝久 先生

血友病患者さんの日常生活の工夫や注意点について、年代別にまとめました。
ここでは、青年期の方についてご紹介いたします。

大学への進学や社会人デビュー、パートナーと新しい生活を始めるなど、ライフイベントが目白押しの時期です。定期輸注(定期補充療法)などを含めた健康管理を続けることで、一般の成人男性と変わらない日常生活が可能になっています。

血友病患者さんと就労

凝固因子製剤の定期輸注が普及し、血友病患者さんの止血管理は進歩しました。重度の関節障害になるケースは以前ほど多くはなく、出血に対する不安を軽減して、自信をもって仕事に臨むことができます。血友病の患者さんにとって、職業選択の幅は広がっていると考えられます。

就職に当たって

就職活動の時期までに、自分が好きな仕事やしたい仕事をじっくりと考え、できれば就職前(学生時代)にアルバイトで経験し、ある程度のスキルを得ることは就職活動に役立ちます。医療者のアドバイスや先輩患者さんの経験が参考になるかもしれません。「就職時に病名を伝えた方がよいですか?」という質問はよくありますが、就職先には、可能であれば、人事部門や上司などに事前に病名を告知し、病気の特徴を説明しておいたほうがよいでしょう。例えば、勤務中に出血が起きた場合、職場で情報が共有されていないと対応が後手に回る懸念があります。通院のための休暇取得や関節に負担がかかる仕事を回避する場合にも、病気への理解を得ておく方がスムーズだと言えます。
医師や看護師、公認心理師・臨床心理士、ソーシャルワーカーなどに相談し、具体的なアドバイスを受けましょう。

生活エリアが変わる場合

進学や転勤などで転居し、今までの病院に通いづらくなることもあるかもしれません。転居先に診療してもらえる血液専門医がいるかどうか、今の病院で聞いておきましょう。新しい病院には紹介状を持参したほうがスムーズに受診できます。
転居してからもこれまでと同じ病院に通う場合、通うのが今よりも大変になるときは診察の間隔を空けることもできるかもしれません。主治医の先生に聞いてみましょう。

パートナーとのかかわり

パートナーができたら、まずは自分自身のことを知ってもらい、相手のことを理解するのが自然な成り行きといえます。そのうえで、病気のことをどのように理解してもらうかですが、血友病があっても出血に注意し、適切に治療を行うことで、通常の日常生活を送ることができることを、自信を持って相手に伝えましょう。ですから、過度に不安になる必要はないことも説明しましょう。
次のステップとして、血友病の基本的なこと、特に、日常生活では出血の予防や対応が重要なことを説明します。治療時や医療機関への連絡、受診時の協力を得るためにも必要です。

パートナーの家族に対しても、基本的にパートナーと同じです。出血に注意し、適切な治療で通常の生活ができることを伝えます。

子どもとのかかわり

子どもに対しては、年齢や理解力に応じて、この病気は出血を防ぐ治療によって普通の人と変わらない生活ができることを具体的に説明します。合わせて、治療は進歩しており、将来に希望がもてることを話しましょう。

いずれの場合も、どのように説明すればよいかわからないときは、就職のときと同じく、医療者に相談するとよいでしょう。

Q&A

子ども全員に遺伝するのでしょうか。

血友病の遺伝は、伴性劣性遺伝またはX連鎖劣性遺伝と呼ばれます。基本的に男子にだけ病気が現れますが、その遺伝は女子が担う(保因する)ことになります。
詳しくはこちらをご覧ください。

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