災害への備え


監修:東京医科大学 臨床検査医学分野 教授 天野 景裕 先生

 

地震、台風、大雨などの災害時への備えとして、用意しておくもの、相談しておくこと、行うことをご紹介いたします。

 

 

持ち物の備え

 

血友病患者さんが災害時に備えて用意しておいたほうがよい例として、次のようなものが挙げられます。とくに、製剤の備えは少なくとも3回分を、注射に必要なものと一緒にしておきましょう。1ヵ所ではなく、職場・学校・親せきの家など複数の場所に備えておきましょう。

 

  • 災害に備えて用意するものリスト(例)

□ 製剤※1、2

□ 注射に必要なもの※1
(シリンジ・移注針・消毒用アルコール綿・絆創膏・ゴミ袋など)

□ 生理食塩水(ポート・カテーテルでの注射の場合)

□ 診察券※1

□ 診察情報※1(血友病手帳や患者カードなど病気の簡単な説明、血友病のタイプ、使用している製剤名、主治医名などを記載したもの)

□ 輸注の記録※1

□ 湿布

□ 包帯またはサポーターやバンデージ

□ ウエットティッシュ

□ 使い捨て手袋(衛生用)

□ お薬手帳

□ 健康保険証など、医療機関で使用する証明書や手帳

□ 歩きやすい靴・軍手

□ 帽子やヘルメット

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※1 普段から持ち歩くとよいもの。

※2 備えとして置いている製剤は、期限切れにならないように、一定期間経ったら自宅の新しい製剤と交換します。持ち帰った製剤は自宅で使いましょう。

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コミュニケーションの備え

 

「もの」の備えとともに重要なのが、情報やサポートに関する備えです。災害時に家族や周囲の人々の理解、サポートを得られるように、普段から「人のインフラ」を築いておくのが大切です。

 

  • 家族・病院・患者間の連絡方法

 

  • 患者会を通じて外部の情報がもらえる場合もあります。患者同士や病院との連絡もどのようにできるか確かめておきましょう。
  • 連絡方法は災害用伝言ダイヤル、災害用伝言板(携帯電話)なども利用できます。

 

  • 情報収集

 

  • 一時的な集合場所、避難場所を確認、どう行動するかを家族で話し合っておきましょう。

 

  • 情報収集

 

  • 防災ホームページ、防災ツイッター、ラジオなど。
  • ホームページは事前にそのサイトをブックマークしておきましょう。

 

  • 避難所での理解

 

  • 避難所では初対面の人たちも多い中でお互いに協力し、割り当てられた仕事を行わなければなりません。しかし、仕事の内容によっては他の役割と替えてほしい場合があります。
    その役割のリーダーに事情を説明する必要がありますが、緊急時に他人の事を理解するのは難しい場合があります。できれば、普段から地域や学校、職場のリーダーとなる人に血友病に対する理解を得て、いざという時に説明の橋渡しをしてもらえるようコミュニケ―ションをとっておきましょう。

 

行動の備え

 

災害時には関節に負担をかけない行動を意識しましょう。例えば次のようなことです。

 

  • 障害物の少ないところを歩く。
  • 部屋の中でも物が散乱していたら、裸足で歩かないようにする。
  • サポーターを着ける、歩くときには杖などを利用する。
 
 

日常生活における注意点 │ 運動について │ 災害への備え

 

 

※一部を除き、数字、組織名、所属、肩書等の情報は2024年10月時点の情報です。


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