医療費助成について

医療機関の診療では、通常、かかった医療費の1~3割を患者さんが窓口で負担することになりますが、血友病を含む先天性血液凝固因子障害の治療には、この医療費自己負担分を助成するさまざまな制度があります。

血友病の治療に適用される医療費助成は次のようなものがあります。

先天性血友病に適用される制度

●小児慢性特定疾病医療費助成制度

対象年齢:18歳未満
子どもの慢性疾患の中で、治療期間が長く、医療費負担が高額となりうる特定の病気について、その医療費の自己負担分の一部を助成する制度です。18歳未満が対象で、医療費助成のための認定を受けるには、お住まいの都道府県の窓口(保健福祉担当課や保健所など)に申請が必要です。
18歳時点で引き続き治療が必要と認められる場合には、延長の手続きをすると20歳未満まで助成を受けることができます。

参考サイト:小児慢性特定疾病対策の概要(厚生労働省ホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000078973.html

●先天性血液凝固因子障害等治療研究事業

対象年齢:20歳以上
20歳以上の血友病患者さんは、この事業の医療費助成の対象となります。医療費の自己負担分および入院時の食事療養費の自己負担分が全額助成されます。
20歳時点で小児慢性特定疾病医療費助成制度から自動的に更新されることはないため、切り替え手続きが必要です。20歳の誕生日が近くなったら、切り替えの準備をしておきましょう。具体的な手続きの方法はお住いの地方自治体の窓口にご相談ください。

●特定疾病療養受療証

対象年齢:全年齢
血友病患者さんの年齢にかかわらず、高額な医療費がかかる治療を長期間にわたって継続する場合に適用されます。1か月間の医療費の自己負担額上限が1万円となります。加入している医療保険の窓口に申請が必要です。

先天性血友病、および後天性血友病に適用される制度

●高額療養費制度

血友病にかかわらず、医療費の自己負担が一定額以上の場合に適用される制度です。
1ヵ月(1日から末日まで)の医療費自己負担額が一定額を超えた場合に、超えた額が後日払い戻される制度です。この「一定額」は、所得と年齢によって決まります。入院時の食事療養費など、保険外の負担金は対象外です。
この制度では先に医療費を支払う必要があり、申請から支払いまで3-4カ月かかります。そのため医療費が高額になることが分かっている場合には、支払い額をあらかじめ自己負担の上限金額に抑える「限度額適用認定証」制度を利用することで出費を抑えることができます。
詳しくは、加入している公的医療保険の窓口にお問い合わせください。

後天性血友病に適用される制度

●指定難病医療費助成制度

患者数が少なく、治療方法が確立されていない特定の病気を国が難病と指定し、医療費を助成する制度です。後天性血友病Aは「自己免疫性後天性凝固因子欠乏症」という病名で指定されています。医療費助成を受けるには医師の認定が必要です。

制度の詳細や申請手続きは、お住まいの都道府県のウェブサイトなどで確認できます。

JP22CH00017

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