出血に関する親からの質問

Q5.

自分(親)が気づくのが遅かったために、手遅れになることはないの?(出血してどのくらいの時間内に製剤を注射すれば大丈夫なの?

A.

出血が分かってからの治療は早いほどいいのはもちろんです。早いほど出血量は少なくてすみ、結果として痛みや腫れは早くひいていきます。その意味で家庭治 療・自己注射ができるようになるのは、QOL(生活の質)の維持・向上に重要です。どれくらい早ければ手遅れにならないかのご質問ですが、部位や出血量に より異なりますし、“手遅れ”の定義にもよります。
“入院する事態”を手遅れと表現するのであれば、例えば腸腰筋出血を腰痛と勘違いして一晩放置すれば入院に至ることは珍しいことではありません。 “将来に負担を残す事態”を手遅れとすれば、同一関節の出血を繰り返すと、関節は徐々に傷んできて、将来、動きが悪くなります。関節の場合、早い処置も大 切ですが、痛みが軽くなったからと安心せず、腫れがしっかりひいていることを確認するまで安静と製剤投与することが大切。慣れるまではその確認は医師にし てもらい、よく出血する関節は一年に一回程度、レントゲンをとって状態を診てもらってください。装具をつけるのも工夫のひとつです。

また、少ない例ですが、目をぶつけて視力に影響する、頸部(けいぶ:首の部分)や脊椎の周辺(背骨の周辺)に出血し、血管や神経を圧迫して麻痺が生じたりすることもあります。下血も意外に出血量が多く、第三者 が気づかないうちに、貧血状態になることもあります。大便に血が混じる、黒く変色するなどの事態は軽くみないでくださいね。いずれも早い処置だけでなく、ある程度、続けて注射することや適切な量をきちんと注射することが大切です。
 

“生死に関係する事態”を手遅れというのであれば、ほとんどの場合、手遅れになることはありません。注意すべきは脳内出血です。しかし、急な多量の出血は何も血友病に限らず、頭に限らず、危険な状態であり、絶対に様子がおかしいのですぐに分かるはず。血友病固有で心配する脳内出血は微量の出血が続いてしまう症状です。ひどくぶつけたのが分かって、家庭治療ができるならとりあえず注射をして、その後、病院に連れて行ってください。気づかないうちに微量の出血があった場合は徐々に気分の悪さを訴えたり、吐いたり、意識を失ったりしていきます。こうした状態が観察されたら至急、病院に連れて行きましょう。とは言うものの 時間をかけて徐々に症状が出現するわけですから、頭をぶつけたからといって、過剰にあわてる必要はありません。落ち着いて冷静に対処してください。まず、(1)病院に連絡して様子を説明する (2)家庭治療も可能ならする (3)指示に従い病院へ行くか、経過観察を行うかを決める、です。




JP/HG/0617/0004