「生物由来製品」の制度について

監修 名古屋大学医学部輸血部 山本 晃士

 血友病患者さんが使用されている注射薬(血液凝固因子製剤)のパッケージが、この7月末日から変わります。注射薬の箱やビンのラベルに『特生物』や『生物』の印がついていますが、これは2003年7月末日から薬に関する新しい規則が追加されたためです。

 薬に関する法律には薬事法という法律があります。この法律が2003年7月末日から新しく変わりました。薬を使用したときの感染症に対するリスクをもとに、主に人や動物に由来する原料又は材料を用いた製品を「生物由来製品」と位置付け、これまでの安全対策をさらに強化する目的で、「生物由来製品」の性質に応じた安全対策を講じることが、医療機関、医薬品メーカーに義務付けられました。そして、血友病患者さんが使用されている注射薬(血液凝固因子製剤)もこの「生物由来製品」に指定されました。

 この法律改正にもとづき、ご使用になられた薬品名(製剤名)・ロット番号(製造番号)とともに、患者さんのお名前やご住所、投与日に関する記録が20年 間、医療機関・薬局に保存されることになります。また、医療機関は薬の使用にあたって、その薬を使うことによるリスクとベネフィット(危険と利益)につい て、適切な説明を患者さん(又はご家族)に行わなければなりません。

 今回のこのような法律改正により、血友病患者さんの注射薬(血液凝固因子製剤)については、いままでより一層の情報公開が行われることになり、医療機関および医薬品メーカーはさらなる安全確保に努めることになります。
 

「生物由来製品」は感染症発生のリスクに応じてさらに2つ(『特定生物由来製品』と『生物由来製品(特定生物由来製剤を除く)』)に分け、そのリスクに応じた安全対策をとるように決められています。
 

特定生物由来製品

生物由来製品のうち保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置を講ずることが必要なもの。
感染症の発生リスクが理論的にも経験的にも高いもので、人および動物からの原料を使って作られており、感染症の原因となるものを不活性化しようとしても限 界があるもの、あるいは、不特定多数の人から採取された原料を使って作られており、一定の病原体の不活性化・除去等が行われているが、なお感染性因子を含 んでいるリスクがあるものです。
 

生物由来製品(特定生物由来製剤を除く)

病原性の細菌・ウイルスを原料とし、一定の不活性化、弱毒化等の措置が講じられているもの、あるいは、人や動物の細胞株により生産されるタンパク質等を用 い、病原体が存在しないことの確認、不活性化・除去が行われているもの、および、健康の確認された不特定多数の動物から得られた原料を用いたもので、病原 体の不活性化・除去が行われているものです。




JP/HG/0617/0004